<近視は病気か>
多くの眼科医はコンタクトやメガネなどの矯正具をつけて1.0以上の視力がでれば正常の目と考えている傾向があります。しかしそれは大きな間違いです。なぜそのように考えるようになったかというと、ひとつはなんら効果的な有効な手を下せないこと、近視の進行自体の理論さえあいまいである。
矯正具をつけていればとりあえず生活には支障がない、ということからでしょうか。眼科学会の重鎮でさえも近視は病気でないと各種発行物で言い切っています。そのわりに眼科で検査をすると保険請求用の病名をつけなさいと指導するのはどういうわけでしょう。
もし、強度近視の方が深夜に大地震に見舞われれば裸眼視力の良い方と比べれば不利に決まっています。原始時代には家族を養うこともできなかったのではないでしょうか。
<近視は遺伝ですか>
よく遺伝だからしょうがないというかたがいますが、実際ほんとうにそうでしょうか。たとえば太平洋戦争中は兵役検査がありましたが裸眼視力が悪ければ当然鉄砲のたまも当たらないので眼鏡使用者は身体成績のランクが落ちるわけですが、それでも現在のように国民の半数以上が近視ということはありませんでした。
はっきり言いましょう。近視は環境により進行します。目の使い方も環境といっていいでしょう。よく視力回復センターに通っているときは良かったがという話をききますが、それは良い目の使い方を教えていないからです。
このことは重要で最新のウェーブフロント・レーシックでもオルソケラトロジーでも目の使い方を誤ればわるくなります。
<メガネやコンタクトの度数と裸眼視力は相関しない>
近視の度数と裸眼視力との関係は微妙です。近視の度数が-3ジオプターだからといって裸眼視力が0.1でしかないということはありません。0.05のかたも0.5のかたもいます。
−1.5ジオプター以内なら矯正具の助けを借りなくてもクリニックに来院してくださればほんべ式視力回復カード法ですぐに結果を出すことができます。
<近視がコンタクトレンズ店で進行しているかも>
面白い資料があります。これは眼科を受診した近視患者(コンタクトレンズ装用者)が雲霧法といって調節力を取り除いて測った屈折度と何もしないで器械で屈折度を測ったときの差です。つまり眼科を受診したときに本来は近視でもないのに近視が進んだといわれ、度の強いコンタクトレンズに変えられてしまうのです。
このような状況ではどんどん近視が進行するでしょう。動物実験でも近視のレンズをかけ続ければ近視に、遠視のレンズをかけ続ければ遠視になるという報告があります。これはどんな状況でもよく見えるようにしようという働きがあるので当然でしょう。今、強度近視といわれている患者さんが始めてコンタクトやメガネをつけたときには今ほどの近視ではなかったはずです。